上手くなるための百人一首練習法

かるたとしての百人一首

 

 

「百人一首」は、正月に遊戯として経験している人も多いので、現在では歌集としてよりもかるたとしてのほうが認知されていると思います。

 

 

かるたとは「取り札」のことで、「百人一首」のかるたは「歌がるた」とも呼ばれています。

 

 

百人一首のかるたは、百枚の読み札と同数の取り札があり、合計二百枚から構成されています。読み札と取り札はどちらも花札のように紙を張り重ねた厚みのあるもので、大きさは一般的に74×53mm程度となっています。札の構造、材質、裏面は読み札と取り札の区別がありません。

 

 

読み札の表面は大和絵ふうの歌人の肖像(歌仙絵巻などの意匠)と作者の名、和歌が記載されていて、取り札の方は、すべて仮名書きで下の句だけが記されています。また、読み札は彩色されていますが、取り札は黒の活字だけです。

 

 

ちなみに、かるたを製造している会社は、京都の企業となる任天堂が有名です。江戸期までの百人一首の読み札は、作者名と上の句のみが崩し字で書かれていて、現在のように読み札に一首すべてが記されていなかったのですが、もともと歌がるたは百人一首を覚えることを目的としていたためで、歌人の絵が付されていない読み札もあったようです。

 

 

北海道では現在でも「下の句かるた」という特殊な百人一首があって、上の句は読まずに下の句だけが読まれ、取り札も厚みのある木製で、江戸期の面影を残しているようです。

 

 

歌かるたが正月の風俗となったのは、特に正月は子供が遅くまで起きて遊んでもよかったからでしょう。こうしてわざわざ百人一首のための会も江戸後期以降には見られるようになって、現在では競技としても定着することになったわけです。